移植
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中学校道徳における臓器移植の実施状況と支援環境に関する調査結果
瓜生原 葉子荒木 尚
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2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s327

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抄録

【背景・目的】2019年4月より中学校の道徳が教科化され,7社の教科書に「生命の尊重」の題材として臓器移植が掲載された。そこで,教員が円滑に授業を実施できる環境整備が必要と考えられる。本研究の目的は,授業の実施状況と環境整備に対する要望の把握である。【方法】6都道府県全中学校1,461校の道徳推進教師宛にDMを送り,書面中のリンクからweb調査に回答していただいた。調査項目は,使用教科書の出版社名,授業実施状況,授業実施までの準備,使用した資材,授業の工夫,websiteに関する要望,実施満足度,今後の実施意向などであった。【結果と考察】364校からの回答を得た。授業実施率は2019年度56.4%,2020年度は60.7%であった。授業準備について,68.8%が大変であったと回答し,補助資材の要望は82.8%であった。使用した資材は,教科書会社の資料とインターネット検索資料が多かった。情報の精査についての戸惑いがあり,情報を一元化したwebsiteの必要性が確認された。研究班で構築したwebsite「生命の尊さを伝える広場」への使用意向は99.1%であった。授業実施の満足度は91.0%,次年度実施意向は90.1%と高かった。授業実践動画の掲載などwebsiteの内容を充実させ,周知させることで,より多くの教諭の準備負担が軽減され,実施率が上がることが示唆された。

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