移植
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感染性肺障害に対する肺移植の長期予後と緑膿菌感染症
平間 崇秋場 美紀春藤 裕樹渡邉 龍秋渡辺 有為大石 久新井川 弘道岡田 克典
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2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s46

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抄録

肺移植は様々な終末期呼吸器疾患に対して生存期間を延長させる効果が期待できる一方、感染症を繰り返すことで呼吸不全に至る疾患も肺移植の適応疾患である。欧米では嚢胞性肺線維症がその主たる疾患であるが、本邦では希少疾患であり、気管支拡張症が感染性肺障害の代表疾患となる。気管支拡張症では様々な病原体が気道から検出されるが、特に問題となるものがPseudomonas aeruginosa (PA) であり、急性増悪や予後不良因子関連している。また、PAは肺移植後に検出される最多の病原体であり、さらに慢性肺移植片機能不全(CLAD)と関連する報告もある。そのため、東北大学で肺移植を施行された136名を対象に、感染性肺障害の移植前、移植後のPAの検出率を調査し、移植後生存期間やCLADとの関連性を評価した。また、副鼻腔炎の罹患率、他の合併感染症(Cytomegalovirus、Aspergillus、non-tuberculous Mycobacteria)についても報告する。さらに、本シンポジウムでは、これら病原体の移植前、移植後の治療について、欧米のガイドライン等を参照に、本邦での治療法の違いなどについても解説する。

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