移植
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思春期の肝移植レシピエントへの自立(移行期)支援プログラムの構築からみえてきた臓器移植を受ける患児へのサポート
田村 敦子
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2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s72

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抄録

【目的】生体肝移植を経験した思春期患者が病気をもち療養生活を行いながら、成人医療へ移行するために作成した自立支援プログラムを実施し評価する

【対象】移植外科に通院する高校生の患者とその保護者

【プログラムの内容】プログラムの具体的な内容は、自立度チェックリストを用いた自立支援のための面談(5~6回程度)、マイメディカルサマリーの作成、DVDの視聴による知識の提供(①「自立とは」②「肝移植後の長期合併症」③「服薬に関する講義」④「服薬行動に関する講義」⑤「性に関すること」)である。また、自立支援チームによる会議を適宜実施。プログラム実施前には、レシピエントを対象に自立準備状況評価質問紙(TRAQ)、レシピエントと保護者を対象に、プログラム前後に小児用生活の質に関する評価尺度移植モジュール(Peds QL)実施。プログラム前後で、子どもの自立や本プログラムに対する感想について保護者インタビュー実施。

【結果】レシピエントのレディネスや保護者の自立に対する考えが、自立に影響を及ぼす。親の“いずれは子どもを自立させなければならない”という思いが、子どもの自立を後押しする。

【臓器移植を受ける患児へのサポート】移植前から、移植後に必要な療養行動についてイメージできるよう、子どもの発達段階に合わせて説明する。また、いずれレシピエントを自立させるために必要な、保護者の発達段階毎のかかわりについて説明する。

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