移植
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肺移植におけるチーム医療
大角 明宏栢分 秀直田中 里奈山田 義人豊 洋次郎中島 大輔伊達 洋至
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2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s79

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抄録

本邦での肺移植は増加傾向にあり、当科でも累計273例の肺移植を行ってきた。院内の多くの診療科や部署との連携なくして成り立たない高度医療である。どのような協力体制で行っているのか、またその重要性について紹介したい。肺移植の適応評価は、当科のほか呼吸器内科・循環器内科・小児科を中心に行っており、原病がある場合は血液内科や免疫膠原病内科に、感染を併発している場合は感染制御部、判断困難な画像所見は放射線診断科に意見を仰いでいる。全例、耐術能については麻酔科・心臓血管外科に、生体ドナーも含めて精神科神経科に評価をお願いしている。脳死肺移植は緊急手術、生体肺移植は2人のドナーを要するため3つのチームが同時並行で手術を行う。麻酔科・手術室には多大なるマンパワーを要し、術中の体外循環は心臓血管外科・臨床工学技士の協力が不可欠である。移植後は当科がメインとなって24時間の管理体制を敷いているが、集中治療部、呼吸管理睡眠制御科、リハビリテーション部、疾患栄養治療部、薬剤部とは常に連携を取って治療に当たっている。我々は毎週、コーディネーターや呼吸器内科・ICTと共に臨床肺移植カンファレンスを行い、入院中の移植適応評価症例・移植後周術期症例、外来の初診・移植待機中症例・移植後の問題症例などについて詳細にディスカッションを行っている。また全例がハイリスク症例であるため、医療安全管理部への報告も行っている。

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