2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s199_2
背景/方法)本邦の心臓移植優先度は主に医学的緊急度(Status)と待機期間で規定されるが、原疾患によってはVAD装着が困難で、長期の待機期間を生存することも難しい。当院で移植登録した511例の待機患者を原疾患で分類して比較。
結果)拡張型心筋症/拡張相肥大型心筋症 vs 虚血性心筋症 vs 拘束型心筋症 vs 先天性心疾患 vs その他群で348 vs 60 vs 12 vs 16 vs 75例。登録時年齢の中央値は41 vs 51 vs 12 vs 20 vs 41歳(p<0.001)。登録後観察期間は4.1年、移植到達率は37 vs 28 vs 17 vs 13 vs 35%、移植前死亡率は18 vs 32 vs 50 vs 44 vs 15%(p<0.001)、VAD装着率は87 vs 90 vs 25 vs 69 vs 73%(p<0.001)。
結語)拘束型心筋症と先天性心疾患の待機患者は若年の割に予後不良。拘束型心筋症はVAD装着率が低く、待機期間3年から死亡率が上昇。原疾患を医学的緊急度に加味すべきか、患者間の公平性に配慮しつつ慎重に議論する必要あり。