移植
Online ISSN : 2188-0034
Print ISSN : 0578-7947
ISSN-L : 0578-7947
移植を増やすためにー日本腎代替療法医療専門職推進協会の未来戦略ー
酒井 謙中元 秀友
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s201_1

詳細
抄録

日本腎代替療法医療推進協会では、日本腎臓学会、臨床腎移植学会、移植学会、腎臓病薬物療法学会、腎不全看護学会、病態栄養学会、腹膜透析医学会、臨床工学技士会と共同で、標準的な腎代替療法の選択・指導を現場に浸透させることを目的に「腎代替療法専門指導士」制度を立ち上げた。国の方針が示す如く、腎代替療法推進の方向性は、在宅治療である、腹膜透析・腎移植医療の発展普及にある。

「腎代替療法専門指導士」の対象は医師、看護師・保健師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技士、移植コーディネーターに加えて、腎臓病療養指導士の方々である。レシピエント移植コーディネーターの方々は、応募時に資格取得後3 年以上経過し、腎代替療法選択の医療に携わっている方を想定しており、この点で移植学会との連携が必要である。例えば導入期加算1,2の施設では、紹介元での腎代替療法説明の推進と移植施設への生体・献腎移植紹介事例が増えるよう、導入期加算3の施設が指導的役割を担う。今までの紹介~移植という1:1の医療連携から、移植施設である導入期加算3の施設が多くの導入期加算1,2の施設と症例検討、研修を行っていくことが必須である。感染症加算と同様の立て付けは、全ての医療機関の腎代替療法の推進への意識変革を促し、我が国の少ない移植選択を広げる実体的な役割を持つ。

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top