移植
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腎移植領域で腎代替療法専門指導士に求められる事 〜当院の取り組み〜
谷澤 雅彦大迫 希代美寺下 真帆櫻井 裕子田中 真純斉藤 由美子篠田 和伸
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2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s201_2

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抄録

腎移植医療における腎代替療法専門指導士設立の目的は①移植医療の推進、②移植患者のADL・QOL向上を目指すものであると資格設立の経緯として記されている。その他、ドナー登録者の増加に努めることも求められる。適正な腎移植のオプション提示が行われれば移植数、献腎登録数、先行的腎移植数の増加に繋がり、高齢・多併存疾患を持った移植希望者が増えている現状ではテーラーメード化、リハビリテーションの重要性が増している。またグラフトロスする患者も一定数存在するため、透析再導入・再移植時の心理的葛藤への対応も求められる。臓器移植は死体臓器提供によるものが基本であるために、ドナーアクションプログラムに参画することも必要である。移植専門医やコーディネーター以外の指導士が資格取得後に全てを担うことは難しいが、上記のいずれかに参入するだけでも目的を達成できると考えている。また、本制度は今までの職種縦断的な対応から、職種横断的にアプローチする画期的な取り組みといって良い。当院は透析導入期加算Ⅲが請求できる施設として、特に腎移植に関わる医師のみならず他職種の後進育成と、加算Ⅰ・Ⅱの施設との連携を重視している。また移植専門医・コーディネーターとして上記を臨床現場で行ってきたことを、制度設立に伴い腎移植医療への取り組みを体系的に作り替えた。今後の腎代替療法専門指導士に求められる事と当院の取り組みをご紹介する。

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