2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s276_1
【背景】脳死ドナー不足解消のため、移植医療の普及啓発活動を紹介するとともに、医療系学生に対するドナーアクション(命の授業)の必要性について言及する。
【対象と方法】2010年~2018年(2019年以降はCOVID19感染拡大のため中止中)に、徳島大学医療系学生の1年生を対象として命の授業を実施し、授業前後のアンケート調査からみえる医療系学生の現状を解析した。
【結果】参加人数は2010年が63名であったが、2018年には264名に達した。臓器提供意思表示率は、10-15%前後を推移しており、ドナーアクション後では、ほぼ100%の学生が意思表示すると回答した。本邦でのドネーションの現状、Opt in/outのシステムに関してなど、ほとんどの学生が知らない状況である。移植医療を通じて、普及啓発のみならず、医療従事者を志す上での命の大切さについても実感してもらう機会にしている。
【結語】医療系学生の移植医療に対する知識理解、また、医療従事者として、命に向かい合う自覚や覚悟は乏しく、低学年からのドナーアクションが必要である。