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COVID-19感染症流行期間での当院における献眼の動向
佐々木 千秋平山 雅敏青木 大西迫 宗大島﨑 潤
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2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s276_2

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抄録

【目的】当院では、全死亡例臓器提供意思確認システムRoutine Referral System(RRS)を通じて、院内死亡例における献眼の意思確認をしている。今回、COVID-19流行期間での当院における献眼の変化を検討する。

【方法】COVID-19流行前(2019年度)と流行時(2020年度、2021年度)において、当院の記録をレトロスペクティブに解析し、院内死亡例数、連絡率、出動率、献眼者数、提供率を比較した。

【結果】院内死亡例数は、2019年度562例、2020年度472例、2021年度448例であった。連絡率はCOVID-19流行に関わらず、95%以上を維持できていた。病棟内死亡例(病棟例)と救急外来死亡例(救急外来例)における出動率は、病棟例では2019年度49.8%、2020年度43.7%、2021年度41.1%であった一方、救急外来例ではそれぞれ96.3%、37.0%、71.6%と変化がみられており、COVID-19が否定できない症例への対応の変化が要因と考えられた。献眼者数は流行前に比べ半数以下となったが、提供率でみると病棟例では2019年度8.6%、2020年度6.7%、2021年度8.0%、救急外来例ではそれぞれ8.4%、0%、4.1%と改善傾向となった。

【結論】COVID-19流行期間においても、感染状況に応じた適切なスクリーニングのもとRRSを通じて献眼意思確認を継続することは重要である。

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