2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s278_1
【背景】藤田医科大学病院は、臓器提供263件、移植680件(腎498、膵98、肝84)の実績を有する(2022年5月時点)。さらに2020年12月本邦11番目の肺移植実施施設となった。ICU看護師2名が肺移植レシピエントコーディネーター(RTC)を兼務し医師とともに肺移植の立ち上げを行った。
【目的】新規施設におけるRTC業務の立ち上げ、確立のための取り組みをまとめたため、共有したい。
【結果】①本学大学院保健学研究科「臓器移植コーディネート分野」で臓器移植とRTCの役割を学習。②既存施設で肺移植診療およびRTC業務の研修を受けた。③既存施設のRTCから適応検討・登録〜移植実施〜術後経過観察におけるRTCの役割について指導を受けた。④移植術後退院のしおりを作成。⑤院内各部署に肺移植RTC業務を周知、業務時間を確保。⑥適応検討〜待機登録までの作業を移植医と共に行い業務フローを確立。⑦既存施設で肺移植を受けた患者の外来診療に同席し自己管理を支援。⑧ドナー発生時机上シミュレーション、カダバートレーニングを通して肺移植手術全体を理解した。
【考察】肺移植診療の円滑な実施、患者の合併症予防や予後改善にはRTCが重要な役割を担う。登録から術後経過観察までを理解し、新規施設においてRTC業務を確立するためには、知識の習得、症例の経験、環境の整備、コーディネーションスキルの獲得など多くの取り組みが必要である。