移植
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本邦における腎移植後管理の現状調査と今後の課題
河野 恵野口 文乃仲宮 優子湯沢 賢治
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2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s281_1

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抄録

【はじめに】腎領域の認定レシピエント移植コーディネーター(RTC)の人数は多いが、ようやく移植実施施設基準の配置が義務付けられるなど業界での認知度は低い。移植後管理は重要なRTCの役割であるが、感染予防、水分管理だけでなく、栄養管理、運動療法、生活習慣病予防など多岐に渡り、その体制や業務内容・指導内容は施設差がある。特に感染予防への指導内容の差は大きくRTC間では関心と疑問の一つであった。またチーム医療の要としての存在も求められており、業務負担も大きく働き方や後進育成の課題もあげられる。しかし実際、RTCの在籍の有無ですら把握するすべがなく、本邦での腎移植後管理における体制整備、教育ツールの作成や指導スキルの底上げには、現状を把握することが必須と考え、今回調査を行った。

【目的】本邦での腎移植後管理指導・RTC活動の現状を把握し、RTCの役割の明確化および今後の腎移植・CKD医療の向上の一助とする。

【方法】第54回日本臨床腎移植学会参加および不参加の移植実施施設計157施設のRTCもしくは看護師に1施設1回答のwebアンケートを実施。

【結果】指導管理体制やRTCの介入状況、チーム医療、共有ツール、感染予防などの指導内容の差について現状を把握することはできた。今年度、腎移植ケアガイドも発刊され、エビデンスに基づくケアやケアの均霑化が問われる中、今後RTC介入でもたらす効果やケア評価などからRTCの存在意義を明らかにすることが求められる。

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