移植
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肝移植レシピエント管理病棟移行の取り組み
原田 絵美成田 尚子渡邊 美佳高原 武志剣持 敬
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2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s281_2

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抄録

【はじめに】

当A院院は2022年5月末時点で,臓器提供263件,臓器移植666件(これまでに膵移植9791件,腎移植438485件,肝移植84件)の移植医療を実施している.肝移植に関しては,生体肝移植実施施設となっており,2021年度より臓器移植センターへレシピエント管理病棟の移行を行ったため報告する.

【目的】

  肝移植レシピエント管理病棟移行後の肝移植看護への課題を明らかにする.

【方法】

  レシピエント管理病棟移行プロセスの振り返りを行い,肝移植1症例実施後の課題を抽出する. なお本演題で発表する内容は倫理審査委員会での承認を得て実施した.

【結果】

  肝移植は,2020年度まで消化器センターにて管理を行っていたが,2021年度より移植前検査入院時より臓器移植センター管理となった.術後急性期はICU・HCUとなるが,各部署で患者情報を共有しシームレスな看護を提供するため,レシピエント移植コーディネーター(RTC)を中心に症例カンファレンスを定期開催した.また,肝移植に関する基本知識獲得のため,一般的な肝移植医療についての講義を医師が執り行い,多臓器移植に対応できる看護スタッフの育成に努めた.肝移植は術前の患者重症度が症例ごとに大きく異なるため,疾病への理解と対応を深める事,また術後生活指導の内容の充実が今後の課題として挙げられた.

【結語】

  肝移植看護の充実に向け,疾病の理解や他部門との連携および肝移植後生活指導向上が課題として明らかになった.

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