2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s390_2
【目的】腎移植レシピエントに高尿酸血症はしばしば合併する。特異的に尿酸トランスポーターを阻害する尿酸排泄促進薬であるドチヌラドが使用可能となったため、当科での短期成績を報告する。【患者】大阪公立大学泌尿器科に通院中で高尿酸血症を有する腎移植レシピエントにドチヌラドを投与し、6か月間の検討が可能であった21人を対象とした。男16例女5例、年齢は中央値52歳[四分位範囲:40,63]、高血圧合併16例、糖尿病合併17例、高脂血症合併13例認めた。免疫抑制剤はタクロリムス/シクロスポリン:15/6例、ミコフェノール酸モフェチル/エベロリムス/アザチオプリン:11/9/1例であった。【結果】投与開始から6か月後、ドチヌラドは0.5, 1, 2, 3,4 mgがそれぞれ11, 2, 5, 1,2 例に投与されており、尿酸値は8.3 mg/dL[8, 8.9]から5.5 mg/dL[5, 6.7]へと有意に低下した(p<0.01)。eGFRは36.9 mL/min/1.73m2[32.2, 43.5]から37.4 mL/min/1.73m2[33.8, 40.9]へ僅かに増加したが有意差は認めなかった。なお、副作用は認められなかった。【考察】腎移植レシピエントの高尿酸血症に対してドチヌラドを投与し、有効な治療効果を得た。腎保護効果に関してははっきりしなかったが、今後更なる検討を続けたい。