熱帯農業
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サウジアラビア東部州アルハッサ地方のナツメヤシ樹下における土壌昆虫および土壌細菌数の季節的変動
ハマッド S. M.エルナカール H. M.ラマダン M. M.ワーダン A. N.
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1982 年 26 巻 2 号 p. 80-85

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抄録

サウジアラビ (図1) 東部州アルハッサ地方において, ナツメヤシ樹下の土壌節足動物及び細菌の個体数を, 1977年11月より1978年10月の各月に調査した.主な土壌理学性の分析値も示した.
環形動物, 擬かつ類, 真正クモ類, 唇脚類, 結合類, 甲殼類 (ワラジムシの類) は少数であった.ダニ類中では隠気門類の数が優勢で, 中気門類がこれに次ぎ, ついで前気門類の順であった.またダニ類は土壌動物中ではトビムシ類に次いで多かった.チャタテムシ類, ハサミムシ類, シロアリ類, アザミウマ類, 半翅類, 同翅類, 鱗翅類の数は少かった.双翅類は昆虫類の中でトビムシ類についで多く, 甲虫類がこれに次ぎ, ついで膜翅類の順であった.甲虫類はたいてい捕食性のハネカクシ科のものであった.また, アリ科のものは膜翅類中の優占種であった.しかしながら, 昆虫類は夏に最も多く, 冬がこれについで多かった.
概して云えば, 土壌動物は四季を通じてほとんど等しく現われた.他方, 全細菌数は冬に高く, 秋にやや低く, 春には冬の約半分になり, 夏には非常に少くなった.
また, 全細菌数が増加すると, それが極めて少くなる夏季間を除いて, たいてい全動物数の増加がこれに従うことを見出した.

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