熱帯農業
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熱帯産樹材の糖化
(第2報) ジャイアントイピルイピル材セルロースの熱分解によるレボグルコサンの生成速度
中川 允利神山 由酒井 愿夫
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1986 年 30 巻 3 号 p. 160-165

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抄録
前加水分解して調製したジャイアントイピルイピル材セルロース (リグノセルロース) に熱分解による糖化法を適用し, 真空下でのレボグルコサンの生成速度に関する解析を行い, 同時に対照としてセルロース粉末についても検討した.
レボグルコサン生成速度定数, kl (sec-1) および副産物生成速度定数, kd (sec-1) は圧力133Pa, 温度範囲598~648K (325~375℃) で次式により表わし得た.
ジャイアントイピルイピル材セルロース粉末に対し
レボグルコサンの生成速度定数
kl=1.60×107・exp (-121000/ (RT) )
副産物生成速度定数
kd=2.29×109・exp (-143000/ (RT) )
セルロース粉末に対し
レボグルコサンの生成速度定数
kl=5.74×106・exp (-118000/ (RT) )
副産物生成速度定数
kd=2.48×108・exp (-133000/ (RT) )
ここでは, Rガス定数, 8.3144 (J・mol-1・k-1) である.上記の数値を用いて, 上記実験条件のもとで, ジャイアントイピルイピル材セルロースを熱分解することにより生成するレボグルコサン収率の予測が可能となった.なお, 無処理のジャイアントイピルイピル材セルロースからは, 熱分解によりレボグルコサンがほとんど生成しなかった.
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