熱帯農業
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ヤムイモ (Dioscorea spp.) 塊茎の肥大生長に関する生理・生態学的研究
第2報 ミニ塊茎の肥大生長に対する植物生長調節剤の作用の検出
張 光鎭志和地 弘信林 満
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1995 年 39 巻 2 号 p. 69-75

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抄録
新たに開発された方法で作出されたヤムイモのミニ塊茎を用いて, このミニ塊茎の肥大生長に対する7種の既知の植物生長調節物質について作用の検出を行った.
ミニ塊茎の肥大生長に対してIAA, Kinetin, ZR, BRsおよびJA-Meは促進的に, GA3およびABAは抑制的に作用し, 検液濃度と促進作用の程度との関係は, それぞれの物質でやや異なり, ZRの促進作用は0.1μM~100μMの範囲では高濃度ほど活性が大であった.IAAでは1μM~100μMの濃度における活性は同程度であり, さらに, BRsおよびJA-Meは低濃度では促進するが, 高濃度では抑制的に作用する傾向が認められた.次に, 発根や根の生長, ミニ塊茎からの苗条の発生に対する作用も物質によって異なり, IAAおよびBRsは根の生長を促進し, サイトカイニン類は苗条の発生を促進し, JA-Meは根および苗条には無効であった.ミニ塊茎を材料として用いた植物生長調節物質の活性の検定では, 物質の促進作用あるいは抑制作用はもとより, それぞれの検液の濃度と活性の程度との関係も検出され, また, 塊茎以外の組織に対してもそれぞれの物質の作用の特異性が認められた.これらの作用の総合的評価によって, ミニ塊茎による生理活性物質の活性の検定が可能であると推定された.
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© 日本熱帯農業学会
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