熱帯農業
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短期湛水ストレスと直後の窒素追肥が早生キマメ品種の光合成速度と炭水化物分配に及ぼす影響
松永 亮一伊藤 治Chris JOHANSENTheertham P. RAO
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2005 年 49 巻 2 号 p. 132-139

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抄録
バーティゾル土壌で生長したキマメのみかけの光合成速度 (Pa) , 気孔開度 (Gs) , 葉の窒素含有率 (Lf-N) はいずれも3日間の湛水処理によって著しく低下し, 湛水処理終了後1日目のPa, Gs, Lf-Nはそれぞれ無湛水区の35, 19, 70%となった.PaとLf-Nは湛水処理後1日目の窒素追肥処理 (50kg N ha-1) によって無湛水区の値まで回復したのに対して, Gsは湛水処理後19日目に至っても, 無湛水区の値まで回復しなかった.早生キマメ品種は湛水処理により根の活動が著しく抑制された場合, 茎中にデンプンを多く蓄積した.この茎中に蓄積したデンプンは湛水処理後の回復期に徐々に減少したが, 窒素追肥によりその減少が促進された.また, 放射性炭素 (14C) を暴露したキマメの葉からの14Cの転流は湛水処理直後, 著しく抑制されたが, すぐに回復し, かなりの量の同化14Cは茎に配分された.
これらの結果から, 湛水処理直後のPaの減少はGsの低下が大きく影響していると推察されたが, 湛水処理後も続いたPaの減少はLf-Nが制限していたと考えられた.さらに, キマメは湛水条件などの不良環境に遭遇した場合, 茎中に光合成産物を一時的に蓄積し, 回復期にはその光合成産物を利用でき, 湛水処理後の窒素追肥処理はその利用を促進すると結論した.
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© 日本熱帯農業学会
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