熱帯農業
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北部タイにおける塩素酸カリウム施用技術導入後のリュウガン栽培上の問題点
中田 美紀杉山 信男Tanachai PANKASEMSUK
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2005 年 49 巻 2 号 p. 140-146

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抄録
北部タイにおいて, 塩素酸カリウム (KClO3) の施用がリュウガンの開花を促進し収量を増大しているのか, どうかを明らかにするため, チェンマイ県のSarapeeとChaiprakarnにおいて, リュウガン生産者を対象に聞き取り調査を行った.チェンマイ県中部のSarapeeでは, 塩素酸カリウムの施用によって着花枝率 (全新梢に占める花序の割合) が上昇し, 収量が増加したが, 果実が小さくなり果皮が薄くなったために価格が低下し, 果実売上高は増加していなかった.県北部Chaiprakarnでは, 12月の施用によって時季外れの出荷が可能になり, 販売価格が上昇したため, 果実売上高が増加した.リュウガン栽培における塩素酸カリウム施用の有効性は, 気象条件によって異なることが示唆された.
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