抄録
【目 的】 女性患者に対するバレニクリン減量投与による禁煙治療の有効性を明らかにする。
【方 法】 バレニクリンの投与量を0.5mg×1回/日3日間、以後12週まで0.5mg×2?3回/日継続投与とした減量投与群(2014年4月から禁煙治療を受けた女性患者14名)と、添付文書に従った標準投与群(2008年5月から2014年3月までに禁煙治療を受けた女性患者50名)を比較検討した。
【結 果】 患者背景では身長以外は有意差を認めなかった。嘔気発現は減量投与群15.4%、標準投与群52.0%で、減量投与群は有意に嘔気発現の減少を認めた(p=0.04)。禁煙成功率は減量投与群92.9%、標準投与群92.0%で有意差を認めなかった(p=0.70)。
【結 論】 禁煙治療を受ける女性患者に対し行うバレニクリン減量投与は、嘔気発現率を低下させ禁煙成功率を維持することが可能であり、有効な治療法であると考えられた。