臨床リウマチ
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原著
山陰地区における血管炎診療の実態調査
原田 智也山﨑 章伊藤 悟永村 徳浩金 聲根宗村 千潮村川 洋子清水 英治
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2019 年 31 巻 2 号 p. 126-134

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抄録

【目的】血管炎症候群は多彩な症状を呈し,診断の遅れは生命・臓器予後に影響を与えるため,早期診断が重要である.今回我々は山陰地区で非専門医を含めた血管炎診療の実態調査を行った.【対象・方法】鳥取県米子市と島根県出雲市で勤務し,主な標榜診療科が内科,整形外科,皮膚科の医師を対象として,2017年11月から12月にアンケート調査を実施した.【結果】開業医98名(回答率47.6%),勤務医25名(同62.5%)から回答が得られた.各種ガイドラインの認知度は「ANCA関連血管炎の診療ガイドライン」が最も高く,勤務医では76%であったが,開業医では14.3%と低かった.血管炎を疑う徴候として,腎機能障害や血尿・蛋白尿が最も多く挙げられ,専門医へ紹介するタイミングとして,腎機能障害が進行した場合が最も多く挙げられていた.【結論】血管炎に関するガイドラインの認知度は十分ではなく,臓器障害が進行してから専門医へ紹介される場合が多かった.

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© 2019 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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