日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
調査報告
大学附属病院敷地内全面禁煙化と呼気中一酸化炭素濃度測定がもたらす喫煙職員の行動・意識変化
鈴木 立紀肥田 典子龍 家圭山崎 太義竹ノ下 祥子三邉 武彦内田 直樹小林 真一
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2017 年 12 巻 2 号 p. 40-48

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抄録

【目 的】 喫煙習慣のある昭和大学附属烏山病院職員の喫煙に対する行動・意識を職場敷地内全面禁煙化前後で調査し、同時に、自身の呼気中一酸化炭素濃度(COex)を知ることが禁煙行動につながるかを検討した。

【対象と方法】 全面禁煙化直前の時期に敷地内喫煙所を利用していた職員33名に対し、全面禁煙化直前、禁煙化後1、3、6か月後に、喫煙習慣に関するアンケート調査とCOex測定を行った。

【結 果】 6か月後まで追跡できた32名のうち、禁煙者3名を含む19名で喫煙量が減少した。また、喫煙量減少の最大誘因は16名が「職場の禁煙化」、2名が「自身のCOexの認知」と回答した。COexは1日喫煙本数および直近の喫煙時間帯のいずれとも有意に相関した。

【考察と結論】 職場敷地内全面禁煙化は喫煙量減少への大きな誘因となった。また、COexと喫煙量を関連付けて考えるようになった喫煙者にとっては、個別の禁煙指導を伴わない条件下でも、自身のCOexを知ることが喫煙量減少に繋がり得ることが示唆された。

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