2025 年 20 巻 3 号 p. 32-43
【目 的】 新入職員対象の禁煙教育前後で社会的ニコチン依存度の変化を検討し禁煙推進活動の改良に資すること。 【方 法】 2022年から3年間の新入職員研修会で喫煙防止・禁煙支援講話を行い、加濃式社会的ニコチン依存度調査票(KTSND)を含む無記名のアンケート結果を解析した。 【結 果】 有効回答197名、開始時KTSND値合計は12.2±4.3(平均±SD)、終了後5.9±4.3、差の平均は6.3±4.5と、合計、個別設問共に有意に値が低下した( p≦0.0001)が、設問により変化に差がみられた。 【考 察】 社会的ニコチン依存への介入効果が示唆されたが、Otaniらの分類によると「喫煙の効用の過大評価」と比較し「文化性の主張」に関連する設問は介入後も値が高く、今後の課題が示された。 【結 論】 職場の禁煙対策としてヘルスリテラシーを強化しつつ、行動変容に繋がるコミュニケーションを意識した介入の必要性が認識された。