2024 年 10 巻 1 号 p. A_122-A_131
本研究においては、道路に沿って隣接設置された複数のビデオカメラにより、観測範囲と観測精度とを高次元で両立させる車両の走行軌跡推定システムを改良した。まず、追跡点の路面近似三角形への投影と、同点の路面近似三角形からの隔離に対する位置座標の補正を分離することにより、二次元射影変換式を適用して標定点設定を路面上に限定可能とした。また、プローブ車の画面座標値と GPS 測位値とから標定点を設定することにより、路面近似三角形を均等かつ効率的に配置できるようした。高速道路の約 820m の観測区間に 734 の路面近似三角形を設定し、プローブ車の測位結果を基準として平均ユークリッド較差が 0.1m、走行速度の RMSE が 0.5km/h となる精度を達成した。