本研究では、交通信号のプローブ遅れ時間帰還制御のためのシミュレーション評価システムを交通シミュレータ、信号制御フレームワーク、プローブエミュレータおよび信号制御エミュレータにより構築した。まず、駒沢通りにおけるビデオ観測データから OD 交通量および飽和交通流率を設定し、交通シミュレータによる 6:50~9:30 までの 1 分間平均旅行時間の RMSE が 53.3 秒となることを確認した。次いで、カルマンフィルタにより信号制御パラメータから平均遅れ算定モデルの係数値を推定、更新するための定式化と実装を行い、先詰まり等の交通状況の変動に追従して一定精度を維持することを確認した。さらに、平均遅れ算定モデルの係数値に基づき、交通状況の変動に応じて信号制御パラメータを最適化するアルゴリズムを定式化した。