交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
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論文 (1) 基礎・応用学術研究
相対加速度項付き追従モデルを適用した ACC によるサグ渋滞抑制効果の評価
石丸 卓朗赤羽 弘和
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2024 年 10 巻 4 号 p. 1-13

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抄録

東名高速道路下り線大和サグ部の追越車線において渋滞発生前後にビデオ観測により取得された車両の走行軌跡データを適用し、渋滞車群内と先行非渋滞車群内の車両挙動とその相互作用を分析した。相対加速度項を含む追従モデルでは反応遅れ時間がより長く妥当な範囲に推定され、同項の作用を相対速度項で代替するモデルより再現精度が高くなった。このモデルに車群の減速波増幅率が 1.0 未満で最小となるパラメータ・セットを設定して ACC 車と想定し、観測車両を代替、混入させるシミュレーションを 1 万回試行したところ、同車混入率が 30%以上で渋滞回避率が 50%を超えた。同車混入率の増大がサグ部における車群中の車両密度分布を平準化し、それがサグ部下流における交通流率のピーク値を抑制して、交通流の安定度を向上させた可能性がある。

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