2025 年 11 巻 4 号 p. A_1-A_7
本研究では、移動困難な地域に Green Slow Mobility(以後 GSM)等の低速なモビリティによる移動手段の供給の可能性を評価するために、人口分布、日常移動が必要と想定される施設の位置情報から、人・物流の発生する可能性のある潜在移動需要を推定し、GSM の供給可能輸送力や運行距離の制約に適した地域を示す手法を開発した。開発した手法により評価を行った結果、次の2点を明らかにした。第一に、全移動困難な潜在移動需要の 45%程度において、運行距離面・需要規模面から GSM が有効である。第二に、コスト面では、2 万[円/月/人]以下の条件で導入可能な地点は潜在移動需要の 3%程度であり、限られた地域であることがわかる。限られた地域ではあるが、全国に 3400 箇所程度存在する。