2026 年 12 巻 4 号 p. A_1-A_9
本研究は,東名高速道路上り線4.7KPにおける10年間の交通流データと川崎高架気象観測局の風況データを統合し,風を進行方向に整合した三成分(向風・追風・横風)で風況とマクロ交通流の関係に関する基礎分析を行った.母集団は降雨0 mm,昼間,非渋滞流(平均速度60 km/h以上)に限定し,風の影響を明確化することを目的とした.分析では,風速階級別のQV図により視覚的傾向を把握し,さらに年別×交通流率ランク別(200台/時刻み)の風速–平均速度相関を算出した.その結果,向風は速度水準の低下を伴い負の相関が多く,追風ではわずかな速度上昇が見られるものの,年によって相関の傾向が異なることが確認された.横風は影響が顕在化しにくいと想定されたが,全体として弱い正の相関が得られた.これらの知見は,風の力学的影響がマクロ交通流に及ぼす影響を実証的に示唆している.