2016 年 2 巻 2 号 p. A_134-A_143
地方部で短距離トリップの移動手段に制約を受ける世帯員への支援策として、他世帯の所有車への相乗りがある。このような短距離ライドシェアでは、移動費用の折半といった経済的誘因付与が困難なため、運転者候補の参加の主な動機は、他人を無料で同乗させるという利他心となる。同乗者候補に比べて運転者候補の人数が多くトリップ頻度も高いという状況下で、両候補の一対一両側マッチングに基づく短距離ライドシェアのシステムを運営する場合、課題として、利他的参加者によるシステムの持続可能性がある。本研究の目的は、システム分析のモデル構築、情報誘導制度によるシステム持続可能性の分析である。シミュレーションの結果、ライドシェア成立可否の状態に対する運転者候補の期待を情報で誘導することで成立ペア数の減少を抑えられる事を示せた。