抄録
高速道路のオーバーブリッジに設置される横断幕は、運転者の正面に位置することから視認性に優れており、規制告知や通行メッセージなどの有効な情報伝達媒体となっている。しかし、横断幕の文字サイズやレイアウト、配色などは、管理事務所担当者の経験的判断に任されており、デザインに関する基準やガイドラインは作られていない。そこで、運転者に対する誘目性や可読性、さらに良好な道路景観となる審美性に優れる横断幕に必要なデザイン要素を探り、「夜間通行止」規制告知の横断幕デザイン推奨案を提案した。本論文では、運転環境を再現した CG 動画を用いたアイマーク実験、印象評価実験、さらに実物大の横断幕を用いた現場実験を通して得られた知見と推奨案選定の検討経緯を報告するものである。