2017 年 3 巻 2 号 p. A_68-A_75
移動販売や宅配といった買い物支援サービスの導入は、人々の買い物支援ニーズを充足する一方で、都市中心部への外出頻度の低下や買い物における外出頻度の増加・減少等といった正負の副次的影響をもたらすことが想定されるが、そのような買い物支援サービス導入による副次的影響を取り扱った研究はあまり見られない。
そこで、本研究では、買い物支援サービス導入によって生じ得る副次的影響の1 つとして考えられる「買い物における外出頻度(以降、外出頻度)の変化」に着目し、1)買い物支援サービス導入状況別の外出頻度モデルの構築、2)各種買い物支援サービス導入による外出頻度変化量の推計、3)外出頻度推計変化量に関する要因分析、を行うことで買い物支援ニーズ以外の観点も考慮した買い物支援サービス導入検討の必要性について言及する。