交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
3 巻 , 2 号
特集号
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特集号A(研究論文)
  • 香月 秀仁, 川本 雅之, 栗野 盛光, 谷口 守
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_1-A_10
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    近年注目を集める自動運転車 (ADV) の実用化は,人々の外出行動を変化させる効果が見込まれる.本研究では,ADV 利用に伴う個人の外出行動の目的ごとの外出頻度や目的地の変化(行動変化)に着目し, ①どのような外出目的において変化が生じやすいか,②どのような属性を持つ個人は変化が生じやすいか の 2 つの観点から分析を行った.主な結果として,1)通院や買物と比較して,観光等や社交・娯楽といった余暇活動において行動変化が生じやすい.2)運転者と比較して非運転者の方が行動変化が生じや すい.3)男性と比較して女性の方が行動変化が生じやすい. 4)自分の運転に対して不安を感じている非運転者は,通院および食料品等買物における目的地の変化が生じやすい.5)観光等の外出頻度は単身世帯において増加しやすい等の傾向が明らかとなった.

  • 飯田 克弘, 浅井 翔治, 井上 剛志
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_11-A_18
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    高速道路での逆走事案に対し有効な対策を講ずるには,運転者が逆走に至る過程を把握する必要がある.本研究ではまず,先行研究で提示した IC 流出時逆走に至る過程の仮説を検証した.その結果,目的 IC を通過するなどの行き先間違いが逆走のきっかけである可能性を確認した.この結果から,行き先間違いを防止すれば逆走発生の防止に繋がることが示されたため,次に,行き先間違いの発生要因を調べた.具体的には,カーナビと案内標識の利用状況を考慮して行き先間違いが発生しやすい状況を特定した.そして各状況に属する分析対象者について個人属性や情報収集傾向を調べた.その結果,カーナビの案内を重視して案内標識を参考にしない傾向があること,都市高速道路でカーナビや案内標識を 十分に利用できていないことなどが行き先間違いの発生要因だと把握した.

  • 堀江 利彰, 赤羽 弘和
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_19-A27
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    車両感知器による感知交通量には、感知特性の経年変化、車線境界を跨いだ走行などとの組合せにより、十数パーセント程度のバイアス誤差が含まれる場合がある。これにより、交通シミュレーションにおいて、車両保存則が成立しないまま重要パラメータが設定されると、安定性および精度に少なからぬ影響を与える可能性があることから、感知交通量のバイアス誤差の検出と補正は重要である。本研究は、環状区間と4 枝ジャンクションを有する仮想都市高速道路網を対象とし、交通シミュレーションの出力に偶然誤差およびバイアス誤差を含めて仮想感知交通量を生成し、渋滞時・非渋滞時別のバイアス補正係数値を推定した。その結果、カルマンフィルタの出力である推定誤差分散を目安とすれば、推定誤差を一定程度に抑制できる可能性を示した。

  • 吉武 哲信, 明石 千鶴, 濱砂 亨, 白石 悦二
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_28-A_36
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    本研究は、過疎地域において自家用有償旅客運送による貨客混載と共に、地域組織が集落拠点を活用して末端輸送を集約的に担う複合輸送システムの実現可能性を検討した。具体的には、宮崎県西米良村小川地区で実施された国土交通省の「地域を支える持続可能な物流ネットワークの構築に関するモデル事業」による貨客混載実証実験を対象に、物流実態、郵便・宅配事業者や地区住民、集落拠点施設や貨客混載の利用者への調査を行い、本格実施に向けてのニーズや条件等を把握した。この結果、1)物流量は貨客混載の適用範囲内であり、2)地区住民、利用者のニーズは高く、郵便・宅配事業者の利点があることを明らかにした。また、3)共同集配に向けて事業者間で異なるサービス内容や水準の調整事項を特定し、4)集落拠点施設の集配体制整備の必要性を明らかにした。

  • 坪田 隆宏, 吉井 稔雄, 藤井 浩史, 河野 侑奈
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_37-A_43
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    Bluetooth 端末から得られるMAC アドレスを用いた交通流観測が注目されており,旅行時間の計測に活用されている.あわせて交通量計測への活用が期待されるが,MAC アドレスの検知確率がスキャナの設置条件等により変動する為,同観測手法による交通量計測手法が確立されるには至っていない.本研究では端末を搭載した車両の走行実験を行い,検知確率に影響を与える要因を明らかにし,検知確率推定モデルを提案する.走行実験データを用いたロジスティック回帰分析の結果,既往事例で報告される要因に加えて,新たに端末の進行方向やスキャナの設置高さ,タイムアウト時間が検知確率に有意に影響を与えることが示された.さらに,これらの要因を用いて道路の特定区間を通過する際の MAC アドレス検知確率を推定するモデルの構築と推定精度検証を行った.

  • 久保田 誠也, 須﨑 純一, 栗木 周
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_44-A_52
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    本研究では,プローブデータを用いて,デジタル道路地図データベース内のノードの位置ずれを自動補正する手法を開発した.既存の手法のように,単純にプローブデータに含まれる位置情報とリンクとの距離の二乗和が最小となるようにノード座標を更新する方法では,道路横断面での位置情報の分布偏りの影響で良好な更新結果が得られない.そこで,この影響を軽減させるために,リンクごとの道路横断面での位置情報の分布を混合分布で確率モデル化し,推定したモデルパラメータを用いてノード座標を更新する手法を開発した.本研究ではまず最小二乗法を用いてノード座標を更新する際の最適な計算単位について検討した.次に,提案手法を実データに適用し更新後のノード座標の精度を評価した結果,従来手法と比べて良好な結果が得られた.

  • 吉岡 慶祐, 下川 澄雄, 森田 綽之, 茂木 翔平, 土屋 克貴
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_53-A_59
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    わが国の道路は,旅行速度の観点において高い層と低い層に二極化されており,この間を埋める階層(中間速度層)の道路が十分ではない.これに対して,都市内における多くの多車線道路は,通行機能が期待されているにもかかわらず,高いサービス速度が実現できていない.本研究では,既存の道路空間内でサービス速度を向上させるための手段として緩速車線を用いた新たな交通運用策を提案し,環状 7 号線をケーススタディとして,交通円滑性の観点から評価を行った. その結果,本交通運用策により本線の旅行速度に大幅な向上が見られ,全体の総走行時間が減少することが明らかとなった.さらに,沿道アクセスの必要性によっては,運用の工夫も可能であることが示された.

  • 川崎 智也
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_60-A_67
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    本研究は、スイス・チューリヒ州の約 3,500 人に約 1 週間取り付けた GPS データを用いて、非集計選択モデルへの適用を念頭においたルールベースの簡易なデータ処理方法により選択肢集合を生成し、その有用性を検討するものである。GPS データの処理方法については、①買い物トリップの抽出、②活動場所の座標位置特定、③自宅と職場・学校の場所特定、の 3 つを対象にルールを提案した。選択肢集合は自家用車、徒歩、公共交通の交通手段別に生成した。提案した手法により処理されたトリップデータをスイス国勢調査と比較し、分析結果の妥当性を検討した。また、本研究で生成した方法の妥当性を確認する位置づけで食料雑貨店選択行動分析を行った。各パラメータは概ね期待通りの結果が得られたことからも、本研究で提案した GPS 処理方法は概ね適切であったことが示唆される。

  • 伊勢 昇, 湊 絵美
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_68-A_75
    発行日: 2017/02/16
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

     移動販売や宅配といった買い物支援サービスの導入は、人々の買い物支援ニーズを充足する一方で、都市中心部への外出頻度の低下や買い物における外出頻度の増加・減少等といった正負の副次的影響をもたらすことが想定されるが、そのような買い物支援サービス導入による副次的影響を取り扱った研究はあまり見られない。

     そこで、本研究では、買い物支援サービス導入によって生じ得る副次的影響の1 つとして考えられる「買い物における外出頻度(以降、外出頻度)の変化」に着目し、1)買い物支援サービス導入状況別の外出頻度モデルの構築、2)各種買い物支援サービス導入による外出頻度変化量の推計、3)外出頻度推計変化量に関する要因分析、を行うことで買い物支援ニーズ以外の観点も考慮した買い物支援サービス導入検討の必要性について言及する。

  • 須藤 明人, 樫山 武浩, 矢部 貴大, 樋口 知之, 中野 慎也, 斎藤 正也, 関本 義秀
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_76-A_83
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

     災害発生の直後から被災者の分布をリアルタイムに時々刻々推定することは減災に直結する公益性の高い問題である。携帯電話データを観測データとするデータ同化手法によって交通状態の推定を行う研究が近年活発になっており、大規模災害時の都市圏全体の人々の流動や分布を推定対象とし、かつ、現実的に入手可能な携帯電話のメッシュ集計データを観測データとして、リアルタイムなデータ同化を試みた研究が報告されている。しかし、従来研究の推定対象エリアは山手線の内側よりも狭いエリアを対象に推定を行っており、より広いエリアでのリアルタイム推定が求められていた。

     そこで本研究では、関東の全域をカバーする広いエリアにおいてリアルタイムな推定処理ができる手法を提案する。具体的には Earth Mover's Distance の計算により高速な手法を用い、さらにその手法の出力を 2 部グラフに偏見することで高速化を実現した。実験では、東日本大震災直後の GPS データを用いて関東のほぼ全域をカバーするエリアを対象に推定を行い、処理時間と精度を評価した。その結果、実用的に十分な精度でリアルタイム処理を行えることが確認された。

  • 草竹 大輝, 萩原 亨, 浜岡 秀勝, 江湖 俊介, 轟 麻起子, 岡嶋 克典, 小林 正自
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_84-A_91
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    本研究では、一般に広く使われている対称照明と比較し、プロビーム照明下における歩行者視認性のメリットを明らかにすることを目的に、対称照明と簡易プロビーム照明をテスト走路に設置し、実験参加者 12 名による車内から歩行者を視認させる実験を実施した。街路での利用を踏まえたプロビーム照明専用の灯具は実在しないため、既存の灯具を工夫して理想配光に近い簡易プロビーム照明を製作し、実験に使用した。実験時は霧雨で路面が若干湿った状態であった。評価実験の結果、道路の横断方向と縦断方向を考慮すれば、プロビーム照明は対称照明に比べて歩行者を視認しやすく、また視認距離や車両と歩行者の位置関係による影響も小さいことが分かった。道路上の歩行者を視認する上で、プロビーム照明は潜在的に高い性能を有することが示唆された。

  • 塩見 康博, 北村 彩菜
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_92-A_100
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    ソフト的な交通渋滞対策として速度回復誘導灯(PML)が脚光を浴び,導入事例が増えつつあるが,必ずしもその効果が発現する条件などは明らかとなっていない.また,交通容量は時系列的に変動することが確認されており,事前・事後の交通容量を単純比較するだけでは,必ずしも正確に PML の効果を検証できない.本研究では,渋滞発生確率のパーセンタイル値と捌け交通量に着目し,状態空間モデルを用いて,2010 年~2016 年の変動傾向を分析し,PML の影響を定量的に把握した.その結果,i) 渋滞発生確率 5%タイル値は経年的に漸減傾向にあると共に,明確な周期変動を有すること,ii) PML の設置により交通容量は 3%程度改善すること,iii) PML の設置により渋滞発生後の捌け交通量の平均値は改善し,その分散も縮小する傾向にあることなどを明らかとした.

  • 岩岡 浩一郎
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_101-A_108
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    大規模災害時に発生が想定されるグリッドロック現象は,大規模かつ長時間の渋滞を発生させる可能性があり,その発生防止や拡大抑制が求められている。本研究では,シングルグリッドネットワークを対象として,既往研究において定式化されたグリッドロック発生条件を改良し信号制御パラメータを陽に含んだ形式に拡張するとともに,信号交差点ネットワークを交通流シミュレーション上に構築して拡張した発生条件の正当性を確認した。次に,渋滞車列における発進波の上流交差点への伝搬に着目し,オフセットのグリッドロック現象に与える影響を交通流シミュレーション上で分析した。その結果,発進波の伝搬タイミングとオフセットを同期させることでグリッドロック現象を抑制できる可能性があることが分かった。

  • 白柳 洋俊, 吉井 稔雄, 兵頭 知, 渡邊 駿一
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_109-A_115
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    本研究では,高速道路連続走行時において,注意の解放がサグにおける勾配認知を向上させるとの仮説を措定し,室内実験を通じて同仮説を検証する.認知科学では,ある対象の変化検出は,持続的に注意を向けるヴィジランスが必要とされるが,その一方でヴィジランスは時間の経過に伴い低下するため,変化の見落としが生じるとされる.高速道路における運転は,進行方向前遠方の限られた範囲へ持続的に注意が向けられていると考えられ,サグ部における勾配変化の認知にヴィジランス低下が影響を与える可能性がある.一方で,ヴィジランス低下を低減・抑制するためには,持続的な注意を解放させることが有効である.そこで本研究では,進行方向に向けられた注意の解放がサグ部における勾配認知に与える影響について,選択的順応課題にもとづき検討する.その結果,注意の解放によりヴィジランス低下が低減されること,ならびに一定時間走行後のドライバーに対して注意の解放を行うことでサグ部における勾配認知が向上することが示された.

  • 西原 大樹, 辰巳 浩, 吉城 秀治, 堤 香代子, 吉次 翔吾
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_116-A_124
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    本研究では、幅員の異なる路肩と自転車専用通行帯において自転車走行実験を実施し、自動車交通が自転車利用者の意識と走行挙動に及ぼす影響について分析した。まず、走行が不安と回答した被験者が 一定割合存在した路肩幅員 1.0m のケースや自転車専用通行帯の幅員 1.85m のケースにおいて、幅員の狭さだけでなく、走行中の自動車との距離の近さや駐車車両が不安の原因として挙げられることがわかった。そこで、これらの要因と自転車走行挙動の関係について分析し、自動車交通の影響を明らかにした。また、安心・不安の意識と走行挙動の関係について分析し、安心して走行する被験者と不安を感じながら走行する被験者の走行挙動特性を明らかにし、その結果を踏まえて安心面に配慮した自転車専用通行帯を整備していく上での課題について検討した。

  • 成嶋 晋一, 葛西 誠, 邢 健, 後藤 秀典, 辻 光弘
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_125-A_134
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    本稿は,高速道路の暫定 2 車線区間の交通機能低下箇所への効果的な付加車線設置に関する検討の一環として行った暫定 2 車線区間の速度変動の交通実態の分析結果をまとめたものである.具体的には,暫定 2 車線の代表的な区間において,トラカン交通量と紐付けた ETC2.0 データを用いて交通量ランク別の速度プロファイル図を作成し,各区間での速度変動状況や要因について分析を行った.その結果,暫定 2 車線区間では,サグや上り坂といった幾何構造の影響を受ける箇所で速度低下が断続的に発生しながら,区間を進行するにつれ徐々に速度低下していくこと,付加車線区間で回復した速度は長く持続せず,付加車線の終端部直後の短い区間内で速度低下すること,また,これらは交通量レベルが高いほどより顕著に現れることが判った

  • 葛西 誠, 邢 健, 成嶋 晋一, 後藤 秀典, 辻 光弘
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_135-A_144
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    往復 2 車線高速道路におけるユーザーの認知する質に近いサービス指標として追従時間率および追従車密度がある。これらの指標の算出にはこれまでは車両感知器データを用いざるを得なかったが、蓄積が進むプローブデータを交通流シミュレーションのキャリブレーションに用いることで、空間連続的に推定可能と期待される。常磐道暫定 2 車線区間におけるケーススタディの結果、600pcu/h を超えるような高い交通量レベルでは追従時間率および追従車密度ともに付加追越車線終端部直後から高い値を示す一方、400~600pcu/hでは両指標とも概ね諸外国の基準に比べて遜色ない水準を保つことが示される。 ただし縦断線形などに因ると思われるプローブ速度の変動に比べて両指標の変動は小さく、局所的なサービス低下を検出するのに適した指標かどうかの検証が今後必要である。

  • 井上 亮, 宮下 明久, 杉田 正俊
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_145-A_152
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    都市内の一般道路で発生する交通渋滞は、季節・天候・曜日・時刻で異なる交通需要パターンや、都市内に設置された信号による制御などの影響により、複雑な様相を示す。そのため、渋滞の発生場所や時刻、その延伸・縮小過程、継続時間などで表される渋滞発生状況を定量的に把握することは難しい。

    本研究は、大量のデータから典型的なパターンを抽出する頻出データマイニングを拡張した分析手法を用いて、那覇市周辺で長期間・継続的に観測された車両感知器データから、朝夕の通勤・帰宅時間帯において日常的に発生する渋滞が、周辺道路に影響を及ぼす過程の抽出と可視化を行った。曜日や降雨の有無によって異なる渋滞波及過程の分析を通して、都市内の渋滞発生状況把握における車両感知器データのマイニングに基づく分析手法の有用性を確認した。

  • 岡村 篤, 阿部 佑平, 福井 淳一, 松村 博文
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_153-A_162
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    近年、自治体や交通事業者だけでなく、地域の住民や民間企業が事業に加わって運営される地域参画型形式による公共交通の取り組みとその有効性が確認されている。しかし、その導入に向けて、利用を希望する人や、事業参画に協力的な人の実態は明らかとなっていない。そこで本研究では、住民の公共交通の維持・存続に向けた支援金支払い意向及び住民間の送迎による相乗り事業への参画・利用意向の実態を把握するとともに、それらに対しどのような要素が影響しているかを定量的に明らかにした。その結果、地域に対する信頼感の向上が支援金支払い意向の向上に影響すること、今後の公共交通の利用意向が相乗り事業の制度に関する意識や相乗り利用意向に影響すること、地域内活動への参加が相乗り事業の参画意向に影響することが、それぞれ示唆された。

  • 飯田 健太, 小根山 裕之
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_163-A_171
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    本研究は,ラウンドアバウトの課題の一つと考えられる,出口の進行方向がわかりにくい,方向感覚がなくなるなどの問題に対応するため,ローマ数字を表示した案内標識をラウンドアバウト環道内に設置し,ドライバーの迷いの軽減効果について,ドライビングシミュレータを使用した評価実験により分析したものである.環道走行時の迷いを主観的に 5 段階評価したときの平均値が,原案と改良案の間には有意な差があることなどから,提案した案内標識は出口の進行方向をわかりやすくするために効果があったことを示した.一方,アイマークレコーダーの分析により,改良案は標識への注視割合が高くなり,前方への注意が削がれる可能性があることが指摘された.

  • 福満 聖也, 塚井 誠人, 神澤 拓, 張 峻屹
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_172-A_177
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    今日では様々なビッグデータが利用可能となっているが,複数のデータベースを組み合わせた分析例の蓄積は,あまり進んでいない.本研究では,ETC データから周辺車の特性指標を作成して,新たな事故原因を探索した.具体的には,ETC,渋滞情報,事故調書,道路交通センサスの 4 種類の統計データを用いて,高速道路における交通事故発生時の周辺交通状況を表す変数を作成した.さらに独自に定義した交通事故の深刻度に影響を及ぼす要因を,作成した候補変数の中から順序プロビットモデルによって探索したところ,ETC データから得られる事故時の周辺車の特性が事故の深刻度に影響を及ぼしている可能性が明らかとなった.得られた知見より,深刻な事故が発生しうる交通流の発生地点や発生日時の特定が可能となる.

  • 佐々木 邦明, 名取 優太, 井口 均, 西川 啓幸
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_178-A_186
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    高品質な道路整備のためには、道路を利用する交通の特性を把握することが欠かせない。近年では、継続的な交通量の観測データが利用可能になってきたことから、本研究はそれらの時系列データから、状態空間モデルの枠組みを用いて交通特性を明らかにすることを目的としている。より具体的には高速道路の IC ペアごとに、季節、曜日、時間帯による変動、さらに超過需要による影響を考慮して変動特性を求めるものである。事例研究として中央自動車道の八王子料金所を通過する 1 年間の ETC 時間交通量を IC ペアごとに周期変動やトレンドなどの状態推定を行った。その結果季節や曜日、時間帯の大きな変動が観測される IC がある一方、曜日変動が小さく時間的変動も異なるなど、IC ペアによる特性が抽出でき、高速道路の交通需要特性を明確にした。

  • 小島 拓郎, 山中 英生
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_187-A_193
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    国交省と警察庁は平成 24 年 11 月に「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を発出した.ガイドラインは自転車ネットワーク計画の作成手順を示すとともに,各段階における基本的な考えを示している.しかし各自治体の策定した自転車ネットワーク計画は,計画内容がガイドラインとは異なっている点が見られる.本研究は,自転車ネットワーク計画の普及に向けた課題を明らかにすることを目的として,ガイドライン発出後に策定された自治体の自転車ネットワーク計画について,ガイドラインの項目内容ごとに比較して,その内容の準拠状況を比較した.策定年度,自治体規模,自転車安全施策の緊急度等により準拠状況が異なること,特に整備形態の選定に関わる方法について,自治体独自の対応が見られることが明らかになった.

  • 小林 貴, 坂本 将吾
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_194-A_201
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    本研究は、踏切内事故の主要因である遮断直前横断の発生要因を明らかにするために、遮断直前横断の有無と、踏切横断までに運転者が経験した交通状況の関係について、実測調査を用いた分析を行った。 その結果、遮断直前横断の発生には、待ち時間・待ち台数・待ち距離・遮断経験といった運転者の経験が影響しており、車列到着時と車列滞在中では異なる要因が遮断直前横断発生に影響している。車列到着時には待ち台数の多さや距離の長さが影響している可能性があり、車列滞在中には、待ち台数、徐行時間、遮断による停止経験が影響している。徐行時間の増加は、停止時間の増加に比べ、約3倍遮断直前横断を発生しやすくさせる。

  • 轟 朝幸, 川崎 智也, 野村 大智, 横関 敬裕
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_202-A_207
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    現在、バスロケーションシステムによって推定されている路線バスの到着時刻は、実績値と推定値が乖離していることが少なくない。そこで、該当する便の停留所停車時間等を考慮し、ニューラルネットワークを用いて到着時刻の予測モデルを構築した。その結果、直近停留所における予測では±3 分の範囲で約 99%、±1 分の範囲でも約 91%の的中率となったが、最も距離が離れているバス停からの予測においては、±3 分範囲で約 80%、±1 分範囲では約 35%にとどまった。しかし、既存のバスロケーションシステムと本研究で提案した遅延時間予測モデルを比較すると、同様の条件下において±3 分範囲での的中率は約 10 ポイント精度が向上し、その有用性を示すことができた。

  • 嶋本 寛, 米良 昂大
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_208-A_214
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    口蹄疫発生時には,家畜伝染予防法に基づき家畜の殺処分や道路沿道に消毒ポイントを設置するなどの対策が取られる.消毒ポイントの設置にともない地域交通に重大な影響を及ぼすため,防疫計画を立案するにあたり地域交通への影響も考慮することが重要である.そこで本研究では,家畜および地域交通に及ぼす影響を同時に考慮した口蹄疫防疫計画の立案に資する,消毒ポイントの設置を考慮した口蹄疫の空間伝染モデルを構築した.提案したモデルを仮想ネットワークに適用した結果,消毒ポイント設置による家畜に及ぼす影響と交通に及ぼす影響に関するトレードオフの関係があることを確認した.さらに,予防的に発生前から消毒ポイントを設置したとしても,設置箇所数が少なければ家畜に対する十分な効果が発揮できない可能性があることを示した.

  • 稲垣 具志, 小早川 悟, 寺内 義典, 和田 大輔
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_215-A_222
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    子どもは他の年齢層と比べ事故時に歩行者の違反がある割合が高く,横断に関わるプロセスにおいてヒューマンエラーが発生しやすい.道路横断時の問題として一般的に安全確認不足による認知エラーがしばしば取り上げられるが,接近車両を認知できていても横断の可否について正しい判断をする能力が欠如している点も指摘されている.本稿では,交通安全教育・対策に具体性を与えるための知見を得ることを目指し,子どもの横断判断特性について車両の認知条件による影響を考慮しながら検討することを目的とした.実験空間における子どもの横断判断状況を観察に基づき把握したところ,車両の認知距離が短くなり判断の時間的余裕が少なくなると,より誤った判断が誘発されることや,車両速度に応じた判断ができなくなるケースが多発すること等が明らかとなった.

  • 岩柳 智之, 中村 文彦, 田中 伸治, 三浦 詩乃, 有吉 亮
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_223-A_229
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    2011 年 3 月11 日に発生した東北地方太平洋沖地震により、千葉県浦安市では液状化現象が発生し、交通障害や断水の被害が生じ、応急給水活動が行われた。本研究では浦安市での応急給水活動に着目し、最短経路探索を用いて水の運搬による身体的負担について評価し、また給水支援が不足した場合の備えを給水の待ち行列計算から推定した。その結果、前者について現況では全体として運搬時間 6 分以上の無理な負担が存在し、対策として耐震化した受水槽等の整備により運搬時間 10 分以上の過大な負担が大きく減少することが明らかになった。後者について 8000 人程度の断水人口を受け持つ応急給水拠点では給水車が不在となる時間や給水所開設時間内に水を受け取れない人が発生し、これを避けるには 1L/人・日の備蓄が必要であることが明らかになった。

  • 永見 豊, 鈴木 晴子, 滝沢 正仁, 木嶋 彰
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_230-A_237
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    道路に標示される区画線や規制標示の補助的役割をもつ路面標示「止まれ」を対象に、その文字を運転者に立体的に見えるようデザインすることで交通安全に寄与することを目的として研究を行った。遠近法によって三次元立体を平面上に再現する手法をアナモルフォーシスと呼ぶ。この手法を用いて、「止まれ」の路面標示文字を立体的に見せるデザイン案を作成した。ドライブシミュレータを用いたCG走行実験に加え、実物大シートを設置した道路での実走実験によりその効果を検証した。その結果、「止まれ」文字の横表示ブロック案と「止まれ」の道路標識を表示した案は、運転の障害になることなく、止まろうとする意識を高められることが確認できた。

  • 高田 和幸, 宮内 弘太, 高浪 裕三, 藤生 慎
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_238-A_245
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    近年,首都圏では鉄道の遅延が慢性的に発生しており,所要時間の信頼性の低下が問題となっている.所要時間信頼性の向上に向けて様々な観点から調査・研究が行われているが,実際の到着状況に焦点を当てた先行研究は殆どない.そこで本研究では,首都圏の鉄道通勤者の到着状況(早着・定時着・遅着)に関するインターネット調査を実施した.個々人の到着分布の形状を表すデータを作成し,それらのデータを用いて k-means クラスタ分析を行った結果,複数の分布が混在していることが明らかとなった. さらに混合分布モデルを適用して到着分布の推定を行った結果,複数の正規分布モデルで表現する正規混合分布よりも,異なる分布形を考慮した異種混合分布を用いることで,より再現性の高いモデルが推定可能であることを示した.

  • 轟 直希, 柳沢 吉保, 武藤 創, 頓所 燎, 髙山 純一
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_246-A_254
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    集約型都市を目指した活性化策の取り組みが全国各地で実践されており、中心市街地回遊行動に関する研究は多いものの、それら取り組みに対する事前の効果分析や評価が十分に実務に活かされていない。 本研究では、中心市街地内を複数の街区ノードに分割し、各ノードの選択確率を算出する回遊行動モデルを構築した。さらに街路満足度などの来街者特性を考慮するモデルへと発展させ、街路空間整備やソフト対策等による来街者評価によって、中心市街地への影響を分析・評価することが可能となった。また、長野市中心市街地においては、年代別の運動能力指数が回遊行動に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなり、回遊許容距離が年代によって異なっていることを示すことができた。さらに算出した選択確率を適用し、中心市街地内の通行量推計を行った。

  • 田部井 優也, 長田 哲平, 大森 宣暁
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_255-A_262
    発行日: 2017/02/16
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    我が国では、過度に自動車に依存した社会構造から脱却する手段の一つとして、LRT(Light Rail Transit) の導入構想が各地にある。しかしながら、LRT を道路空間に導入する場合、道路容量の低下による渋滞悪化が懸念される。また、LRT の利用者が多くなれば、電停へのアクセスによって増加する横断歩行者が自動車交通流に与える影響も無視できない。そこで本研究では、栃木県宇都宮市の LRT 計画をケーススタディとし、ミクロ交通流シミュレーションを用いてこれらの問題の分析を行った。シミュレーション結果より、シミュレーション範囲では、平日休日ともに、車線数が 1 車線減少する西進方向において、渋滞の発生が見られた。さらに大規模商業施設に隣接した電停における道路横断歩行者数の増加は、自動車交通流に与える影響が大きいことが分かった。

  • 大橋 幸子, 川瀬 晴香, 関 皓介, 瀬戸下 伸介
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_263-A_270
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    生活道路の交通安全確保のためには、走行車両の速度抑制対策が重要な事項となる。本研究は、生活道路における安全性確保のための屈曲部に着目し、大型車が走行可能で、普通車の速度を抑制できる屈曲部の形状を明らかにすることを目的とする。研究では、大型車の車両軌跡を確認した上で見通し幅の異なる屈曲部を 3 パターン設定し、これらの形状の屈曲部を設置した実験用の走路で、被験者による普通車の走行実験と意識調査を行った。そのうえで、見通し幅と車両速度、ドライバー意識との関係を分析した。その結果、見通し幅 2m 以下で、速度が概ね 30km/h 以下に抑制される傾向があることが分かった。また、見通し幅 3m では、ドライバーが周辺に注意して運転するようになる効果はあるものの、屈曲部での十分な速度抑制がなされないことなどが分かった。

  • 松村 健志, 渡邉 友崇, 四辻 裕文, 喜多 秀行
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_271-A_279
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    道路の走行サービス水準評価をするにあたり,著者らは行きやすさを表す指標である拠点間アクセシビリティ評価指標を提案している.これは,走行円滑性と走行安全性から構成される指標であり,ドライバーの認識に即したものであることが確認されているものの,その導出が繁雑であり,道路実務者が容易に扱えるとは言い難い現状がある. 本研究では上記の問題点を解消するため,交通量常時観測データからこの指標を簡便に導出する手法を構築する.ミクロ交通流シミュレーションから得たデータより,常時観測交通特性値と拠点間アクセシビリティ評価値における関連性分析を行い,従来の評価値導出法よりもはるかに簡便な導出法を開発 した.提案した導出法を用いて導出した推定値分布と実測値分布を比較し,良好な一致が確認された.

  • 土屋 哲, 谷本 圭志
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_280-A_286
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    過疎地域における持続可能な社会のしくみを考える際、サービスの供給者が専業ではなく兼業によって、限られた労力で多くの機能を担い、地域を支えていくことが必要である。本研究では、地方のタクシー業者に注目し、タクシー運転手が本業の傍らに集落を巡回して何らかの生活支援サービスを行うことを想定して、本業に付随した生活支援サービスがどの程度供給可能であるのかを簡易的に分析するための方法論を時空間プリズムの概念を援用して構築する。その上で、実際のタクシーの賃走履歴データを用いた分析を通して、付随的なサービスの供給可能性を明らかにしうることを実証的に示す。

  • 長谷川 究, 小早川 悟, 稲垣 具志, 後岡 寿成
    2017 年 3 巻 2 号 p. A_287-A_294
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    大規模地震発生後に避難者が生活する上で必要な救援物資は緊急輸送道路を中心に輸送が行われる。 緊急輸送道路は発災後も機能することが求められるため沿道建物や橋梁の耐震化整備が行われている。 しかし、すべての避難所が緊急輸送道路に面している訳ではないため緊急輸送道路から避難所までのアクセス道路が必要であるが、アクセス道路に対しては対策整備方針がない。 本稿では、緊急輸送道路から避難所までのアクセス道路を対象に道路閉塞要因の一つである建物倒壊を考慮したアクセス性分析手法を構築し、ケーススタディを通して救援物資輸送の最短移動距離の分析を行った。そして、分析結果より明らかになった到達不可能避難所に対して耐震化対策手法を構築し、その有用性を示した。

特集号B(実務論文)
  • 元田 良孝, 宇佐美 誠史, 堀 沙恵
    2017 年 3 巻 2 号 p. B_1-B_5
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    ここでは運転免許更新時の高齢者の意識を調査し、主として自己の運転評価と運転免許返納意識について分析を行った。盛岡運転免許センターに更新の手続きに来た70 歳以上の 155 名にアンケート調査を行った結果、運転頻度が低い人、運転の自己評価の低い人、苦手な運転行為がある人は運転免許返納の意識が比較的高いことが明らかになった。高齢運転者が運転免許更新時の実技で指導員による指摘と自分の意識する苦手な運転に違いがあり、自己評価とのギャップが存在する。返納を促進するためには公共交通等の整備とともに運転免許更新時等で自分の客観的な運転技量を認識させる必要がある。

  • 三好 孝明, 長谷川 栄一, 田中 伸治
    2017 年 3 巻 2 号 p. B_6-B_12
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    現在、首都高速道路株式会社をはじめ、国土交通省や高速道路会社では、ETC2.0 対応車載器を搭載した車両から、各車両の走行位置や時刻などを含む ETC2.0 プローブ情報を収集している。これらの情報は、道路利用実態を明らかにするビッグデータとしての活用が期待されている。また、首都高速道路株式会社では、利用者が気軽に立ち寄れる都市型パーキングエリアの展開を図っており、定常的に各パーキングエリアの利用状況をモニタリングする手段として ETC2.0 プローブ情報の活用を検討してきた。 本稿では、首都高速道路の川口パーキングエリアをケーススタディとして、ETC2.0 プローブ情報を用いて当該パーキングエリアに立ち寄った車両の滞在時間などを試行的に分析した結果とともに、他調査と比較した結果について報告する。

  • 両角 岳彦, 割田 博, 赤羽 弘和, 稲吉 龍一, 加藤 周平
    2017 年 3 巻 2 号 p. B_13-B_21
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    都市高速道路の側壁には、自動車による擦過痕が相当数存在する。これらは、接触した部位や角度、車両速度によって、様々な色彩や形状を示す。特に、大型貨物車は施設接触後も自走可能な場合が、より小型な車両と比較して多く、物損事故としても記録が残りにくい。本研究では、高速道路側壁をビデオ撮影し、擦過痕画像を取得した。また、擦過痕画像は正対化により詳細な特徴を抽出し、位置情報と共にデータベース化した。擦過痕の分布状況と事故データを比較し、危険区間を抽出した。これらと道路幾何構造を統合分析し、擦過痕が形成された車両挙動の仮説を構築した。また、大型貨物車の実測検証を行い、速度変化の実態と、線形により加速が始まる箇所を確認した。

  • 萩田 賢司, 森 健二, 横関 俊也, 矢野 伸裕
    2017 年 3 巻 2 号 p. B_22-B_27
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    飲酒運転取締りによる飲酒運転事故抑止効果を明らかにするために、GIS による飲酒運転取締り・飲酒運転事故の統合分析ツールを活用した分析を行った。東京都と岡山県のデータを活用して、飲酒運転取締り地点の近接空間の飲酒運転事故件数を、飲酒運転取締り前後で比較したところ、岡山県は事後に飲酒運転事故が大きく減少していたが、東京都はそのような傾向がみられなかった。この原因としては、飲酒運転厳罰化により、東京都では 15 年間で飲酒運転事故が約 95%も減少し、加えて代替交通機関も発達しており、飲酒運転取締りによる飲酒運転抑止効果が表れにくい悪質運転者による飲酒運転が多く残されているためと推察される。岡山県の減少率は約 65%であり、飲酒運転取締りによる飲酒運転事故抑止効果が出現する余地があるのではないかと考えられた。

  • 佐藤 久長, 飯田 克弘, 鈴木 彩希, 相原 秀多, 高橋 秀喜, 馬渕 一三
    2017 年 3 巻 2 号 p. B_28-B_35
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    高速道路の可変式道路情報板のシンボルには、分かりにくいものが存在するという指摘があり、先行研究では、新たなシンボルデザインを考案し、1 事象情報板を対象に、ドライビング・シミュレータによる室内走行実験を通じて、改善効果を確認した。本研究では、判読難易度の高い 2 事象情報板を対象に、新たなシンボルを表示することによる可読性や理解度の向上、シンボル表示の有無、デザインの違い、事象発生位置の表示形式、あるいは文字色の違いが、情報板表示の可読性・理解度に与える影響を検証した。その結果、2 事象情報板では、半数近くの人が全ての内容を読んでいないという根本的課題が明らかになった。また、シンボルの表示による今後のさらなる改善検討に向けて、情報伝達機能の高いシンボルが効果を発揮することが確認できた。

  • 国村 昌生, 高木 一誠, 萩原 亨, 佐藤 嘉哉, 佐々木 伸
    2017 年 3 巻 2 号 p. B_36-B_42
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    夜間、雨や雪の影響により道路線形の認識が困難となる環境下において、道路線形を示す施設として、帯状ガイドライトが開発された。著者らはこれまでにドライビングシミュレータを使用し、帯状ガイドライトの設置効果を明らかにする評価を実施した。本研究では、帯状ガイドライトを設置した模擬道路で輝度分布計測を行い、視認性に関する基礎研究を実施した。計測した輝度分布画像の画像解析からコントラストや視野角を解析し、帯状ガイドライトの設置効果検証に取り組んだ。帯状ガイドライトから路面に照射される線状反射光は、夜間の湿潤路面や積雪路面において、ヘッドライト光の再帰反射効果と比較して、高いコントラストが得られ、ドライバに遠方の道路線形を示せることが分かった。

  • 轟 直希, 柳沢 吉保, 塩澤 翔平, 高山 純一
    2017 年 3 巻 2 号 p. B_43-B_52
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    長野市善光寺御開帳は、2015 年 4 月 5 日から 5 月31 日まで行われた。北陸新幹線の開通により事前に多くの参拝客が御開帳期間中に訪れることが予想された。本研究では来訪者を対象に、公共交通、シャトルバス、マイカー利用者の入手率の高い情報内容・入手媒体・入手時期を明らかにし、公共交通、シャトルバスを利用するための重要な情報と入手率の高い情報との関係を明らかにした。分析の結果、出発前の早い段階で市街地までの公共交通および市街地内での公共交通情報をインターネットで発信すると、公共交通利用促進に効果的である。出発前にシャトルバス運行情報を、また出発前から移動中までシャトルバス駐車場までの経路誘導情報をインターネットで発信し、さらに一般道路走行中には案内板によるシャトルバス駐車場までの経路誘導を行うとシャトルバス利用促進に効果的である。とくにマイカー利用者の目的地までの所要時間の予測は、他手段利用者と比較して楽観的であるため、所要時間情報を提供することは、マイカーから他手段への手段転換に大きな影響があることがわかった。

  • 中川 浩, 玉井 顯, 永見 豊, 二瓶 美里, 越塚 友紀, 松下 健介
    2017 年 3 巻 2 号 p. B_53-B_60
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    日本の高速道路において、交通事故または車両確保に至る逆走事案は毎年約 200 件程度発生している。 このため、高速道路会社は学識経験者の意見等を踏まえ、路面矢印標示等の対策を講じてきた。一方で軽度認知障害有病者に対してもこれらの対策が有効に働いているかは不明であった。そこで本研究では逆走している CG 動画を健常高齢者と軽度認知障害有病者に見せ、主として逆走に気づく時間を比べることで、両者の比較を実施した。 その結果、全体的には健常高齢者、軽度認知障害有病者ともに路面矢印標示、標識、大型看板が逆走対策として有効であり、気が付くまでの時間や気が付いた理由についても両者に有意な差は認められなかった。ただし、軽度認知症に病状が進行した者や一部の軽度認知障害有病者については道路側の対策の限界を示唆する結果が示された。

  • 福本 雅之, 松尾 幸二郎, 松本 幸正, 山下 隆道
    2017 年 3 巻 2 号 p. B_61-B_66
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    愛知県東三河地域における 1 年間の全てのデジタルタコグラフ導入タクシー車両の日報データを分析することで、同地域におけるタクシーの利用実態を明らかにするとともに、タクシーを活用した公共交通施策の可能性についても検討を行った。その結果、月・曜日・時間帯といったタクシー利用の時間的変動や、駅を中心とした放射状の利用が多いといったタクシー利用の空間的分布が明らかになった。また、迎車の場合には短距離利用が多いこと、縁辺部の地域においては平均利用金額が高いといった利用実態も明らかになった。さらに、公共交通施策としてタクシー料金の助成を行った際に必要となる費用に関して試算した結果、縁辺部の地区において、タクシーを活用した施策はデマンド型交通の導入よりも、公共交通施策として費用効率的となる可能性が示された。

  • 村井 宏徳, 加藤 明里, 神戸 信人, 高瀬 達夫, 鈴木 弘司, 森田 綽之
    2017 年 3 巻 2 号 p. B_67-B75
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    宮崎県児湯郡川南町の一般国道 10 号には,沿道商業施設の往来等から,乱横断する歩行者・自転車が多く,死亡事故が発生する単路区間が存在していた.このため,交通安全対策として,我が国で初めて信号機を設置せず,横断歩道を食い違いに配置した無信号の食い違い二段階横断施設が導入された.本研究は,我が国で初めて導入された,この二段階横断施設の導入効果を明らかにするために,導入前後に実施した各種調査の結果を用いて,二段階横断施設の安全性,円滑性の評価と,横断特性の変化を分析した.分析の結果,二段階横断施設の利用者が増加して乱横断が減少し,車両と接近した横断の減少や横断待ち時間の短縮等の安全・円滑面の効果が確認できた.また,歩道部より横断待ち時間が短縮する等の食い違い二段階横断の特性が確認できた.

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