2018 年 4 巻 3 号 p. A_1-A_8
課題先進国と言われる日本のインフラ維持管理は、財源・専門家不足が深刻な問題となっている。一方で、ここ数年の深層学習等の技術発展により高度な画像認識が可能になっており、さらに世界中広く普及しているスマートフォンのカメラ機能は高精細化している。
そこで本研究では、7 つの自治体の道路管理者と連携し、深層学習により路面損傷のリアルタイム検出を行うとともに、ランダムフォレスト法により自治体ごとの修繕対応決定における各特徴量の重要度比較を試みた。その結果、一般的なスマートフォンのみを用い、路面損傷を検出率(真陽性率)87%で検出することができ、自治体ごとの維持対応基準の違いを定量化することができた。この成果により、安価で簡易なインフラ点検が可能となり、財源・専門家不足に悩む諸地域においてブレークスルーとなる可能性がある。