2020 年 6 巻 2 号 p. A_63-A_70
多くの人々が集まる都市では、より一層の治安の改善や安全・安心な街づくりを実現していく必要がある。その中で、警視庁では活動の高度化・迅速化・効率化や事前予測による犯罪や交通事故の未然防止を構想している。エビデンスベースの政策実施においては、警察は予測の結果に基づいて街頭取締り活動の投入量を決定する必要がある。しかし、取締りや街頭活動による事故減少効果は定量化されていないため、警察官の裁量によって決定されているのが現状である。そこで、本研究では街頭取締り活動と道路環境要因の2 要素を考慮した重回帰分析によって、回帰的に事故リスクの予測をすることで、街頭取締り活動の事故減少効果の定量化を行った。その結果、街頭活動には事故リスクを一定程度減少させる効果があることが分かった。