2021 年 7 巻 1 号 p. 11-18
自転車活用推進法の施行により、これまで以上に幅広い利用目的や利用形態を前提とした自転車利用を促進する機運が高まっているが、現状での利用実態を把握するにはさまざまな状況で取得されたデータを用いる必要がある。そこで本研究では、自転車ナビゲーションアプリの利用実態と取得された GPS データから、自転車利用者の活動把握の可能性を把握することを試みた。その結果、目的地として鉄道駅だけでなく、自宅・学校・会社等を目的地としていると推察され、代表交通手段、端末交通手段のいずれの用途に対しても自転車ナビゲーションアプリの活用がなされていることが明らかになった他、GPS データから自転車でのトリップ全体を把握することは難しいが、自転車で迷いやすい地点や、夜間に自転車を必要とする実態を把握できる可能性があることが分かった。