2022 年 8 巻 2 号 p. A_185-A_193
本研究では,ドライバのヒューマンエラーが多い交差点右折時の横断歩行者事故を対象とし,仮想空間(VR)に交差点を作成することから,そこで右折するドライバの運転行動の特徴を評価した.VR 空間での右折を再現するため,Unity を用いて仮想空間における交差点右折の実験環境(VRDS)を独自に構築した.3D 都市モデルデータを用いて,実験対象とした交差点を VR 空間で再現した.視線計測可能なヘッドマウントディスプレイを用い,走行時の記録映像に視線を重ねて示した.VRDS を用いて実験を行った結果,視認負荷が高くなるにつれて歩行者と錯綜するケースが増えた.錯綜となったときのドライバ行動は実際の事故時の現象と類似しており,仮想空間(VR)で交差点を作成し,そこで右折するドライバの運転行動を評価することの妥当性を示唆する結果となった.