2022 年 8 巻 2 号 p. A_178-A_184
中心市街地や観光地において、その賑わいを定量化する指標の一つである歩行者交通量を把握することは重要である。そこで、本研究は、Wi-Fi パ ケットセンサーで得られるデータと、実際に観測した歩行者交通量の違いを定量的に把握すると共に、電波強度を用いたデータのクリーニング手法を検討した。長野県小布施町内の 4 つの地点において、ビデオカメラで歩行者交通流を撮影し、15 分間交通量を計測した。それを真値とみなし、電波強度の閾値を設定するための感度分析を行った。これにより、センサー設置個所の環境に応じたデータのクリーニングが可能になった。そのうえで、歩行者交通量を Wi-Fi パケットセンサーで得られる人数で単回帰し、その精度を検討した。その結果、年間を通じて歩行者数の増減を知りたいような場合では、十分な精度であることを示した。