2022 年 8 巻 2 号 p. A_9-A_14
本研究では,名古屋市の中央走行方式バスシステムに着目し,事故統計データに基づく分析を通じて,基幹バスレーン上の信号交差点付近の事故の特徴と発生要因を明らかにし,幾何構造,信号制御条件で分類された代表的な交差点について挙動分析により潜在的危険性を評価した.
その結果,小規模交差点では朝ピーク時に交差点内の短絡や,停留所付近の乱横断が多く発生することがわかった.次に,車線運用の異なる連続する中規模交差点間では上流交差点の停止線付近においてピーク時に危険な車線変更が多く発生することを示した.さらに,大規模交差点では基幹バスレーンの走行車両の速度が高いにもかかわらず,交差点内の速度低下量が大きい危険な状況が確認された.また,バスレーンが設置されている右折車線での追突危険性が高いことを示した.