交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
特集号A(研究論文)
中山間地域における生活交通利用者による自立的外出可能感の醸成と外出頻度及び住み続け意識との関係
岡村 篤橋本 成仁
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2022 年 8 巻 2 号 p. A_91-A_100

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抄録

中山間地域において、今後コミュニティバス等の生活交通を維持するには、その利用者に対し、車がなくても自分で 1 人で生活交通で行きたい外出先まで行くことができるという「自立的外出可能感」を醸成し、車の運転が出来なくても現居住地で住み続けられるという意識を高めていく必要がある。本研究では、中山間地域における生活交通の利用者を対象に、生活交通改善に伴う自立的外出可能感の醸成の実態を把握するとともに、外出頻度や住み続け意識との関係を定量的に明らかにした。その結果、自立的外出可能感が高く醸成された人ほど外出頻度や住み続けに関する意識が高いことが示唆された。また、自立的外出可能感を高く醸成するには、運転手の対応や待合所環境の改善、運転手・利用者同士での会話機会の増加が重要であることが示唆された。

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© 2022 一般社団法人 交通工学研究会
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