2023 年 9 巻 2 号 p. A_376-A_385
路面標示は運転者の視野の大部分を占めることから、メッセージの伝達に有効であり、法定外表示として様々な文字標示が敷設されている。筆者らは路面文字が縦横比 1:1 にみえる立体文字標示の開発を進めており、その可読性の高さを特徴として挙げているが、視認距離や可読距離の計測は行っていない。そこで、本研究では、基礎的なデータを蓄積することを目的として、現行の路面標示と立体文字標示の種類別に運転者視点による視認距離と可読距離の実測実験を行った。その結果、視認距離は 63~75m の範囲で路面標示の種類および被験者の年齢の影響は小さかった。可読距離は 19~42m で標示の種類に影響し、立体文字標示は現行の標示と比べて 13~20m 距離が大きいことが分かった。