2023 年 9 巻 4 号 p. A_76-A_84
我が国における交通事故の発生状況は改善の傾向を示しているが、近年は下げ止まり状態となっている。この傾向は生活道路において顕著である。生活道路では、幹線道路と比較して交通量などのデータ取得が困難であり、安全対策に関わる分析が限定的であった。しかし、近年では ETC2.0 の普及などにより生活道路における使用可能データが増加傾向にある。一方で、交通事故予測の分析手法に着目すると重回帰分析をはじめとする多変量解析法に対して、近年効果的な交通事故分析を目的として AI(人工知能)の応用が期待されている。そこで、本研究では ETC2.0 データと AI の一種である逆強化学習を活用し、生活道路における急ブレーキや規制速度超過といった潜在的な危険の要因の推定を行った。そして、逆強化学習を用いた危険運転要因特定の可能性に関する知見を得た。