主催: 一般社団法人 交通工学研究会
会議名: 第45回交通工学研究発表会
回次: 45
開催地: 日本大学(東京都)・オンライン同時配信
開催日: 2025/08/06 - 2025/08/08
p. 875-882
平成 30 年 7 月の豪雨災害では、交通ネットワークが損傷し、通勤・通学などの都市機能維持に必要な移動が深刻な渋滞の影響を受けた。特に災害後の交通渋滞は大きな問題となり、適切な優先順位付けに基づいた交通マネジメントが求められる。そのためには、道路途絶による迂回損失と移動を中止せざるを得ない場合の機会損失の両方を考慮した道路重要度の評価が必要である。本研究では広島県呉市周辺を対象に、時刻別の自動車等 OD を用いた動的な交通量推計モデルと、迂回・機会損失額の算出モデルを構築した。人流データに対して交通手段推定を行い、自動車等の OD データを生成した上で、出発地や到着地の被害による移動の変更・中止を考慮した。これにより、移動困難者の道路利用ニーズに応じた復旧手順を検討し、経済損失の抑制が可能であることを示した。