交通工学研究発表会論文集
Online ISSN : 2758-3635
第43回交通工学研究発表会
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第 43 回 交通工学研究発表会
東京 2020 大会における首都高速道路の料金施策の効果と COVID-19 の影響分析
赤羽 弘和宮本 慎一郎
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p. 651-658

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抄録
東京 2020 大会中に渋滞回避のために導入された首都高の通行料金割増施策に関し、ETC ログデータの分析ではオリンピック直前と開催中の COVID-19 感染者数と割増対象車の日平均首都高通行台数の変動には有意な相関は無かった。その上で、オリンピック開催中には高速道路利用が首都高内で完結した通行が 25 %減少するなど、統計的に有意な効果が確認された。料金割増は、他の TDM 施策と首都高入路閉鎖などの TSM と相まって通行台数を減少させるとともに、潜在需要の顕在化を抑制してほとんど渋滞が発生しない水準で交通の需給関係を均衡させたと推定される。ETC2.0 プロ-ブ情報の分析からは、料金割増対象車が割増時間帯に首都高から一般道の利用に転換し、一般道の需給関係を平常時よりも逼迫させるような現象は把握されなかった。
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© 2023 一般社団法人 交通工学研究会
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