抄録
本研究は、地方部での公共交通維持等を目的とする貨客混載事業において自治体の役割が重要との観点から、同事業への自治体関与の実態を分析した。分析対象は、交通・宅配事業者が連携した路線バスとタクシーを用いた事業である。分析の結果、a)事業への自治体の関与の度合いは様々であるが関与度が強い自治体は全て過疎地域を含むこと、b)事業開始から運用まで民間事業者間のみによる事業が多いこと、c)事業を計画に記述する自治体は少ないが、そのメリットとしては合意形成の円滑化が中心であること、d)事業への支援制度は実証実験段階のみで活用されていることが明らかとなった。以上を踏まえ、民間事業者間のみでは困難な地域で自治体が関与するメリットがある仕組みの強化、実証実験段階での支援の拡充等の必要性を指摘した。