主催: 一般社団法人 交通工学研究会
会議名: 第44回交通工学研究発表会
回次: 44
開催地: 日本大学(東京都)・オンライン同時配信
開催日: 2024/08/07 - 2024/08/08
p. 399-403
シェアサイクルは、自転車の台数がポート間で偏ることから、偏りを解消する再配置が必要となる。再配置は、本来は事業者が行うものだが、利用者に金銭的な報酬を支払うことで、自転車の台数調整を促すインセンティブシステムがある。これにより、再配置の費用削減が期待できるが、報酬の費用が生じ、シェアサイクル事業の収支には改善が見られない可能性がある。本研究では、自転車の利用を表現したシミュレーションを構築し、インセンティブシステムの効果を評価した。その結果、収益の増加、再配置回数の削減が見られた一方、利用者による台数調整が一定の割合を超えると、収支の減少を示した。よって、インセンティブシステムの導入は、利用者の利用機会の創出、事業者の再配置回数の削減には寄与するが、事前に利用者への調査を踏まえる必要がある。