交通工学研究発表会論文集
Online ISSN : 2758-3635
第44回交通工学研究発表会
会議情報

第 44 回 交通工学研究発表会
インセンティブシステムの社会実装を見据えたシェアサイクル運用システムの検証
~つくば市シェアサイクル実証実験事業「つくチャリ」を事例として~
稲葉 翔太高橋 慧福崎 竜之輔石井 樹川島 宏一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 399-403

詳細
抄録

シェアサイクルは、自転車の台数がポート間で偏ることから、偏りを解消する再配置が必要となる。再配置は、本来は事業者が行うものだが、利用者に金銭的な報酬を支払うことで、自転車の台数調整を促すインセンティブシステムがある。これにより、再配置の費用削減が期待できるが、報酬の費用が生じ、シェアサイクル事業の収支には改善が見られない可能性がある。本研究では、自転車の利用を表現したシミュレーションを構築し、インセンティブシステムの効果を評価した。その結果、収益の増加、再配置回数の削減が見られた一方、利用者による台数調整が一定の割合を超えると、収支の減少を示した。よって、インセンティブシステムの導入は、利用者の利用機会の創出、事業者の再配置回数の削減には寄与するが、事前に利用者への調査を踏まえる必要がある。

著者関連情報
© 一般社団法人 交通工学研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top