日本においては,交通ネットワークの整備が活発に進められてきたことで地域間の移動は容易になってきたが,多様なニーズに応える交通手段も求められている.自動運転システムには運転疲労の軽減効果が期待でき,加えて旅行の自由度が高いという車旅行本来のメリットがあって,中長距離帯で重要性の高い公共交通から自動運転車両へのモードシフトをはじめた今後の交通行動の変化が期待され,それに伴う様々な影響の予測が課題になる.本研究では,鹿児島への観光について調査を行い,中長距離における交通手段選択と周遊行動との関係性を取り上げ,運転疲労を考慮した交通手段選択モデルと観光地滞在時間決定モデルの構築を試みた.モデルによる交通手段分担と観光地滞在時間の理論値は実測値とうまく適合しており,その再現性と妥当性を確認した.