抄録
本年のノーベル生理学・医学賞を、山中伸弥博士(京都大学 iPS細胞研究所 所長)が受賞した。今回の受賞は、山中博士の研究チームによる「成熟細胞が初期化され、多能性を獲得しうる現象の発見」=人工多能性幹細胞(iPS細胞)の樹立に対して贈られるものである。JSTは2003年度の戦略的創造研究推進事業CRESTでの山中博士を研究代表者とするプロジェクトを始めとして、現在まで、生命科学の世界に革命をもたらす山中博士の研究を支援し続けてきた。iPS細胞技術は再生医療や難病治療などの臨床応用への強い期待が寄せられている。世界が認めた日本発の成果が、更なる革命的な成果を生み出すための偉大な一歩となることを願いたい。