2022 年 2022 巻 10 号 p. 8-11
植物の性は、雄しべと雌しべが共存する両性花を祖先に、雌・雄へと性別を分離して進化してきた。一方、栽培柿では一本の木の中に雄花・雌花の両者を着生し、まれに雄花から両性花へ先祖返りすることも知られている。性の揺らぎはなぜ起きるのか。岡山大学環境生命科学学域の赤木剛士研究教授は、果物の柿を通じて100年近く謎とされてきた植物の揺らぐ性の仕組みを明らかにした。そのメカニズムは、農業にとって重要な「作物の性別」を自由に制御できる技術への応用が期待されている。