2022 年 2022 巻 11 号 p. 8-11
自動車の重量は燃費に直結するため、より軽くて丈夫な材料の開発が進んでいる。しかし、組み立てる際の接合は非常に困難で、材料によっては溶接時に本来の強度特性を損なうこともあるという。この課題に対し、大阪大学接合科学研究所の藤井英俊教授は、高い圧力をかけながら電流を流すことで、強度特性を変えることなく低温で金属同士を接合する「固相抵抗スポット接合技術」を開発した。従来は困難とされた金属同士の接合が可能になるだけでなく、省電力や廃棄物削減など、脱炭素化をはじめとするさまざまな社会課題の解決につながる技術としても大いに期待される。