2025 年 2024 巻 2025.1 号 p. 8-11
つらい脊椎疾患を早期に癒やす新規の「脊椎間スペーサー」と呼ばれる金属医療デバイスを開発する。この世界初・日本発の挑戦に、大阪大学大学院工学研究科の中野貴由栄誉教授とインプラントメーカーの帝人ナカシマメディカル(岡山市)らの研究グループが成功した。金属と患者自身の骨である「自家骨」を使う従来の治療法は、骨の癒合に時間も患者への負担もかかる。こうした課題を、骨の強度は基質配向性が決めるという発見と微細なハニカムツリー構造を精緻に作る金属3Dプリンター技術で見事にクリアした。