脳卒中
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シンポジウムI
アテローム性中大脳動脈閉塞性疾患の梗塞メカニズムと急性期増悪
濱中 正嗣山本 康正大原 亮田邑 愛子栗山 長門細見 明子大岩 海陽林 正道
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2007 年 29 巻 6 号 p. 683-687

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抄録

目的 : アテローム性中大脳動脈閉塞性疾患 (ATBI-MCA) 連続59例について, 急性期増悪に関与する因子を検討する. 方法 : 梗塞パターンを, (1) WCT型12例 : 皮質動脈領域の梗塞, (2) SCI型15例 : レンズ核線条体動脈領域の梗塞, (3) 融合性IBZ型14例 : 半卵円中心~放線冠にかけての融合性白質虚血病巣を呈するもの, (4) 数珠状IBZ型6例 : 卵円中心に側脳室に沿った縦長の数珠状の梗塞を示すもの, (5) mCTs型12例 : 皮質・皮質枝間境界領域梗塞などの小梗塞が多発するもの, の5型に分類した. 結果 : 急性期増悪は28例 (47.4%) に認められ, 高齢者, 女性, M1高度狭窄・閉塞例で有意に多かった. 梗塞パターンでは, 数珠状IBZ型で全例に, SCI型, 融合性IBZ型で約6割に認められた. WCT型, mCTs型では2割に過ぎなかった. 結論 : 急性期増悪は高度狭窄・閉塞例で血行力学的虚血を示す例に多く, in situ閉塞, 動脈原性塞栓の機序を示す例では少なかった.

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© 2007 日本脳卒中学会
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